大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京家庭裁判所八王子支部 昭和57年(少)629号 決定

主文

少年を中等少年院に送致する。

理由

一  非行事実

司法警察員作成の昭和五七年二月一三日付追送致書記載の犯罪事実(但し、窃盗犯罪一覧表中番号四の犯罪事実、番号七の共犯者A、番号八の共犯者A、番号一〇の共犯者B、番号一一の共犯者Bを除く)のとおりであるから、ここにこれを引用〔編略〕する。

二  上記(一)の事実に適用すべき法令

刑法二三五条、六〇条

三  処遇理由

少年の、知能性格等は東京少年鑑別所作成の鑑別結果通知書の、家庭環境生育歴非行歴等は少年調査票の各記載のとおりであり、これら本件調査審判に現れた一切の事情、特に、少年は、中学卒業後定時制高校に入学する一方就職していたが、中学三年生の頃から始まつた不良交友の影響により、半年足らずで退学、退職し、仕事に就くという条件で親元を離れてアパート暮らしを始めたものの同アパートが不良仲間の溜り場となつたため家主に追出され、そのまま家出状態となり、同様の状態にある不良仲間とともに全く無軌道な生活に陥り、半月足らずのうちに一三台の自動車を次々に盗んで乗り廻すという本件非行をなすに至つたもので、本件非行内容が重大、悪質であること、少年は規則的な生活習慣、勤労意欲を殆んど失なつており、規範意識も最近急速に低下してきていること等に鑑みると、少年の非行性は在宅保護の措置をもつてしてはとうてい取り除くことができないものと認められるから、少年に対して矯正教育を施し心身陶冶の機会を与えその健全な育成を図るため、少年を中等少年院に送致することとする。

四  結論

よつて、少年法二四条一項三号、少年審判規則三七条一項、少年院法二条を適用して、主文のとおり決定する。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例